フォローアップ

 

システムを作る、システム化することが目的になっていませんか?

システム化の悲劇は、「使われないこと」です。

なんとなく当初の目的は果たしたつもりで終わっていませんか?

Looking Back(振り返り)と、せっかく作ったシステムを最大限に有効活用すること。

つまり業務の定着化までがシステム化の仕事です。

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システム定着化の落とし穴

 

その1 伝え方の壁

かの有名なリンゴマークが目印のIT企業創業者が言うように、システム、なかでもユーザーインターフェース(実務者が見る画面、触る箇所)は、徹底的にシンプルであるべきです。
なぜなら、シンプルであればマニュアルも説明書も、人事異動の際の引き継ぎもいりません。画面に向かうだけで良いからです。
それではなぜ、コンシューマ向けのデバイスやユーザーインターフェースは極めてシンプル化してきているのに、業務用のアプリケーションは未だに複雑怪奇なのでしょうか。理由は大きく分けて2つあると思っています。
 
①仕事で使うアプリケーションは、システム同士で繋がる必要がある。
ここでいう繋がるとは、「いいね!」を押したり、リツイートしたり、投稿して繋がるという意味とは全く違います。
Aというシステムで処理した情報は、Bというシステムに渡さなければならないといった、データ情報交換です。
ではなぜ、データ情報交換が発生すると、シンプルなデザインや機能が失われるのでしょうか。
それは、それぞれのシステムの「入力ルール」や「データ処理ルール」に、お互いを合わせる必要があるからです。すなわち
「シンプルな入力ルールでは完結できない」ということです。
全角文字だとNG、20文字以上はNG、利用時間は10時~17時まで。Aの画面で入力された情報はBのシステムに渡す、Cの画面で入力された情報をもとに、Dのシステムが動き出す。
このように、システム同士が繋がるときには正確性担保の代償に、入力ルールの規制が入ります。
入力ルールが発生する以上、マニュアルや口頭で「正しい使い方」を伝える必要があります。
 
 
その2 画面デザインが業務用
ここではテーマから逸れるので詳細は割愛しますが、皆さんが普段、プライベートでお使いのモバイル型デバイスやゲーム機などと、業務用ITシステムは、一部では同じ技術を用いられていますが、まったく別々の進化を遂げています。
「仕事でタッチパネルは使えるか?」みたいなテーマが話題になったり
「タブレットで変える!現場の業務」みたいな記事が出たりするのは
コンシューマ向けの技術と旧来のビジネスシステムが、あまりにもかけ離れていた時代を経て、いま再び、統一されるようなムーブメントにあるからです。ここでいう落とし穴は、つまり旧来のビジネス用ITの画面は総じて「(自分のスマホやタブレットと比較して)使いにくい」という拒絶反応が出るという事です。
 
 
その3 必要なのは、「システムの使い方」ではなく、業務の「標準化」
 
システム化が目的となってしまった場合、上に書いたような「制約」や「拒否反応」によって、現場では歓迎されないこともしばしば見受けられます。
現場に伝えるべきは「システムの使い方」ではなく、「仕事のしかた」だと思います。
ITシステムが100%、仕事を行ってくれるなら別ですが、日々の業務には人の手が入り、目が入り、意思が入ります。ここで重要なのは手や目、意思の入り方が、人によってバラバラだと困るという事を強く伝える必要があります。
例えばエクセル。世界中で利用されている、もっとも親しみやすいデータベースソフトです。このエクセルの使い方ひとつで、1,000時間かかる作業が1秒で終えることもできます。ポイントは「Aさんのやり方」、「Bさんのやり方」といったように、エクセル作業ひとつ取って見ても、作業が多様化している部署は、組織機能として赤信号です。(先に書いたシンプルなデザイン・機能とは、言い換えれば「自由度の無いシステムである」という事です。自由度がないということはつまり、実は「制約だらけ」といった見方もできます。)
あるシステムを業務に導入する場合、導入の目的が何であれ、実務者に伝えるべきは「このシステムを使って、業務を標準化します」というワンメッセージではないでしょうか。
 
 

成功事例

弊社にシステム導入・フォローアップをお任せいただいた事例の一部をご紹介します。

高度なIT化不要!?Excelとの共存

■お客さまの課題
これまでの入力業務をExcelから、会社の基幹系システムに連動した入力システムに移管したい
とのご依頼。
「競合社では情報処理のIT化が進んでいるみたいで、ウチも検討したいんだよ」
「必要な情報はオペレーターのパソコンにはあるが、統計情報をすぐに見たいんだ」
「エクセル作業が一番慣れてて、やりやすいんですよね。
「新しいシステム?また作業を増やす気ですか!」
 
つまり
ご依頼主の財務部さまでは、何十年と同じ作法・手順化された業務を、Excelで情報整理されているが、統計情報の有効活用やIT化の波に取り残されているのでは?といったご不安が強いものの、現場では今までのオペレーションは変えたくない!というご依頼でした。
 
■解決のアプローチ
こちらのケースの場合、情報を集める基幹システムがすでに存在しており、何度かのインタビューで分かったことは、要するに基幹システムへの情報の入れ方に改善の余地アリと睨みました。
つまり必要な情報はオペレーターのPC上にExcelデータとして存在しており、情報分析ツールもお持ちで、そこに情報を入れるために、オペレーターの方々に、Excelへの入力オペレーションを止めて、新たに入力システムを導入しようとされておりました。
そこでExecution Plan(実行計画)は「新規入力システムの開発」とはならず、「Excel情報のデータ連携」となりました。
要は、必要な情報を必要なタイミングで必要なシステムに渡すことが目的で、入力システムの開発が目的ではないという事がはっきりしましたので、普段使われているExcel情報をそのまま流用しよう!
となりましたのでRun Control(開発管理)は「基幹システムへの随時アップロード機能の開発」となりました。
 
■納期
長く業務でご利用いただく中での環境の変化にも耐えられるように、Excel自体にマクロやVBAを仕込むといった作業は極力避けました。落とし穴で言う「制約」をかけ過ぎないという点です。
細かい仕様はお伝えできませんが、簡単に言えば「入力済みのExcelデータは○○というフォルダに保存してください。」実際のオペレーターの方々にお願いしたのはこれだけです。
「○○というフォルダに新しい情報が投稿されたら基幹システムへ必要な項目だけを送信」というプログラムを組むだけで、万事解決しましたので、納期は着手から3日程度でした。
 
プロジェクト管理のポイント(成功への分岐点)
高度なIT化の波に乗り、莫大な投資をせずとも効果が出る事例でした。確かに、専用の入力画面に沿ってデータ分析に必要な項目だけを入力することを「標準化」としても、同じゴールには辿り着けたでしょう。しかし、オペレーターの方々に受け入れたかどうかは疑問です。それよりも、入力データの保管場所を「標準化」する方が、安く・早く効果が出せると思った次第です。
 
■費用・効果
非公開
※ほぼボランティアでした・・・
正直言って全然儲かりませんでした(交通費など勘案すると赤字でした)が、お客さまの笑顔を頂いたので良しとします。
 
■使用した環境
お客さまご利用の物理サーバ, VBA,
■2020年6月追記
高度なIT化ではなく、既存アプリを無料で使い倒すため、GoogleAppsScriptによる業務ツールを多数
開発し、業務の繋ぎをサポートする事を開始し始めました。
例)
・スプレッドシート、Googleドキュメントを使用したメルマガ配信(DM一括配信)
・Googleハングチャットにスプレッド情報の平日のみ配信
・ChatWorksにスプレッド更新の際、チーム共有配信
・Googleドライブ内の定期的ファイル整理バッチ
・Salesforceデータをスプレッドに抽出
・スプレッドシートに3翻訳変換マクロ(英語、簡体字、繁体字)
・・・等々
​作成したシステムやアプリ、既存の仕組みが、業務全体としての運用が回らないと、IT化は意味をなさない。業務運用が末端まで、滞りなく活用されなれければ、作業者はつらいだけ。。。