【提言】大企業病 – 繰り返される愚行の連鎖
- 奧村 哲次
- 2024年12月3日
- 読了時間: 3分
更新日：3月27日
大企業病の実態
1. 上意下達と盲目的実行の悪循環
上層部からの指示を、目的も意義も理解しないまま実行する組織。兵隊のように指示に従う従業員は、自身のキャリアや将来を考える余裕を奪われ、日々の業務に忙殺されています。
これは、組織全体の成長を阻むだけでなく、従業員一人ひとりの創造性や意欲をも殺してしまう状況です。なぜそれをするのかを問い直す余裕のない環境では、真のイノベーションは生まれません。
2. DXの本質を見失う空虚な取り組み
デジタルトランスフォーメーション（DX）が叫ばれ、最先端技術を導入する動きが活発化しています。しかし、導入が目的化し、本来の課題解決や成長に向けた意図が見失われているケースが多々あります。
課題を可視化するプロセスを省略し、既存の仕組みを一方的に「悪」と断じてしまう。このような行動は、根本的な問題を放置したまま、見た目の変化にだけこだわる浅はかな取り組みと言わざるを得ません。
3. 歪んだ投資と権力の誤解
新しいシステムへの投資には大盤振る舞いをする一方で、現場の声やニーズを吸い上げる努力は怠られています。また、決裁権限を持つリーダーが、システム刷新を自身の権力誇示の道具として利用する傾向も散見されます。
「良い提案を持ってこい」という横柄な態度で開発ベンダーやコンサルに接し、「金を出せば動かせる」という誤解が生まれています。その結果、投資は浪費となり、現場の士気を低下させる悪循環を引き起こしています。
4. 大企業病の本質とその継承
この病理は新しい現象ではなく、長年の企業文化として継承されてきたものです。「仕方がない」「これが大企業のやり方だ」という諦めが、問題をさらに深刻化させています。
解決への提言
目的に立ち戻ること
技術の導入はあくまで手段であり、目的ではありません。企業全体が「何を目指すべきか」を明確にし、それを共有することが最初の一歩です。
現場の声を聞くこと
従業員や顧客、パートナーの声を吸い上げ、課題を可視化するプロセスが必要不可欠です。表面的な変化ではなく、真の改善を目指すべきです。
謙虚な姿勢を持つこと
決裁権限を持つリーダーこそが、最も謙虚であるべきです。「金で動かす」のではなく、知恵と信頼を重んじて未来を築いていくべきです。
継承ではなく変革を目指すこと
古い体制や慣習に疑問を持ち、必要であれば変革する勇気を持ちましょう。伝統を守るために成長を犠牲にしてはなりません。
あとがき – 中小企業の皆様へ
