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ググるからチャピルへ──私たちの行動変容がもたらす未来

更新日:8月28日

Google検索からChatGPTへの行動変化を示すビジュアル。検索と生成AIの移行を象徴する矢印。
「ググる」から「チャピル」へ。情報を届ける力が、これからの時代の存在価値を決める。

少し前まで、私たちが何かを調べるとき、ほとんどの人が「Googleで検索する」という行為を当たり前にしてきました。

「ググる」という言葉が生まれたように、Googleは調べ物の代名詞でした。


しかし今、この行動に大きな変化が起こりつつあります。

それが、ChatGPTなど生成AIに直接質問するという行動です。

この動きは、若い人だけでなく、幅広い年代でひそかに広がり始めています。


たとえば、


  • 「今夜の献立は何がいい?」

  • 「ビジネスで使える提案書の書き方を教えて」

  • 「この言葉の意味は?」


こんな問いをGoogleに打ち込むのではなく、ChatGPTにそのまま聞いてしまう。

私たちはこの行動を「チャピル」と呼びます。

つまり、ググる → チャピルへ行動が移っているのです。


ChatGPTの検索結果のしくみとGoogleのSEO


この変化を理解するためには、ChatGPTがどのように答えを出しているのかを知る必要があります。


Google検索はとてもシンプルです。

  • 調べたい言葉(キーワード)を入力する

  • 世界中のウェブページから、そのキーワードを含むページを探す

  • ページの人気度や信頼性をもとに順位を決める

だから企業も個人も、「どうすればGoogleで上位に出るか(SEO対策)」に力を入れてきました。


一方で、ChatGPTのような生成AIはまったく違う仕組みです。

  • 世界中に公開されたテキストを大量に学習する

  • 質問に対して、学んだ情報をもとに文章を新たに作り出す

  • 「どこからコピーしてきた」というより、膨大な知識を再構成して回答する

つまりChatGPTは「過去に読んだ情報を組み合わせて説明する賢い友人」のような存在です。


しかし、この賢い友人にも弱点があります。どこかで知識を仕入れる必要があるからです。

そして、その多くは

✅ 公開されたウェブページ

✅ オープンデータ

✅ 論文や書籍

などから得ています。


実際、Googleが集めた情報が基盤になっているということを忘れてはいけません。

たとえるなら、

  • Googleは「情報の図書館」。

  • ChatGPTは「その図書館で勉強した知識を説明する人」。

図書館に本がなければ、どれだけ優秀でも正しい知識は語れないのです。


実際に進むGoogle離れと次の一手


実際に、Google検索の利用率は世界的に少しずつ減少を始めています

米国では若い世代を中心に、情報収集の最初の一歩が

  • ChatGPT

  • YouTube

  • TikTokに移行しているというデータも複数出ています。


もちろん、Google自身もこの現状をしっかり把握しています。だからこそ、

✅ Gemini(旧Bard)などAI搭載検索

✅ 検索結果にAI要約を表示

✅ 「SGE(Search Generative Experience)」と呼ばれる生成AI検索の試験運用

といった次の施策をすでに出し始めています


つまり、「SEOはもう古い」「Googleは不要」というのは短絡的な話です。

むしろ、GoogleもChatGPTも、どちらにも正しく拾われる情報発信をする必要があるという時代になっています。


企業の事情と個人の行動、そのギャップ


ここで問題が起きます。


多くの企業、特に大企業や中堅企業は、ChatGPTのような生成AIを業務で使うことを禁止または制限しています。理由はとてももっともです。

  • 社内の重要な情報がAIに送られる危険がある

  • 顧客データや機密情報が外部に漏洩する恐れがある

  • AIの答えが誤っていたときのリスクが大きい

こうした懸念を考えると、「社内での利用を認めない」のは当然ともいえます。

しかし一方で、個人としての従業員は、業務を効率化したい気持ちが強く、こっそり使い始めています


「会社で禁止されているけど、私の個人アカウントなら問題ないだろう」「このくらいのことなら大丈夫」と自己判断で利用する人が増えています。

ここに企業と個人のギャップがあります。

会社はリスクを避けたい。個人は便利さを手に入れたい。

もちろん、大企業の中にも自社ルールを整え、正式に導入を進める企業や、すでにAIを業務に組み込んでいる企業もあります。


ただ、この動きはまだ一部にとどまっており、AIの進化のスピードに追いつけていない企業が多いのが現実です。


ChatGPTが登場してから、もう数年が経ちました。その間にAIはどんどん進化しています。

「今、検討している場合ではない。AIはすでに次の段階に進んでいる」

これが現実です。


AIにデータが蓄積されない危機


このギャップが生むもう一つの問題は、AIが新しい情報を取り込めないまま、世の中の認識が固定化してしまうことです。


企業が「情報を出さない」、個人が「業務で活用しない」ままだと、ChatGPTに質問しても古いデータや表面的な知識しか返ってきません。


情報がアップデートされず、AIが「過去のままの世界」を繰り返し教えるようになってしまうのです。


次に来る時代──SEOの意識を失うリスク


このまま進むと、次に来るのは「GoogleのSEOを誰も意識しなくなる時代」です。


「もうChatGPTに聞けば十分」という気持ちになる人が増えます。でも、そのAIの答えも、結局Googleやウェブ上の情報に支えられています


AIに正しい知識を届けるためには、

  • 個人も企業も、情報発信をやめてはいけない

  • SEOを考慮した発信を続けなければならない

これを理解する必要があります。


個人やフリーランスこそ危機が迫っている


特に注意すべきは、個人やフリーランスです。

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