「人材紹介」が“働く”を壊していないか?
- 奧村 哲次
- 7月7日
- 読了時間: 3分

便利な時代にこそ、立ち止まって考えたい“仕事”の本質
求人広告や人材紹介サービスがあふれる時代。
「高単価」「フルリモート」「最適な案件があります」──
そんな文言に、心を動かされたことのある人も多いはずです。
でも、私たちは本当に「働く意味」を理解し、選んでいるでしょうか?
本記事は、人材紹介という仕組みを否定するものではありません。
むしろ、“仕組みそのものをどうアップデートすべきか”という視点から考察したものです。
1|紹介が「サービス」ではなく「目的」になっていないか?
本来の人材紹介とは
👉 企業と人をつなぐ“価値のあるサービス”のはず。
ところが今、「紹介そのもの」が目的化していませんか?
実際の職場で幸せに働けるかどうかより、
「何人紹介したか」がKPIになっているケースも見られます。
> ⚠️ KPI達成のための“人集め”が、働く人の人生を軽視していないか?
2|“動かずに利益が出る”仕組みが、社会をゆがめる
登録された求職者データを基に案件を推薦すれば、報酬が発生する。
企業訪問も、現場確認もなし。
これは合法であり、成り立つビジネスモデルです。
でも、その中で
「働く人」よりも「データ」が重視される社会は、本当に健全でしょうか?
> ⚠️ 問題は人にあるのではなく、構造にあるのです。
3|求職者も紹介者も“善意”の中で巻き込まれている
さらに厄介なのは、
多くのエージェントや求職者が“誠実な気持ち”で行動していることです。
だからこそ、
数字で扱われる個人
実態が見えにくい職場
放置される登録者の増加
こうした“構造的ひずみ”が、表面化しづらくなっています。
4|「動かない仕事」が増えすぎることのリスク
誰かをつなぐことで報酬が発生する──これは必要な仕事です。
ただし、それが全体の主流になった時、何が起きるか?
現場で汗を流す人
サービスをつくる人
地域を支える人
こうした人たちの「価値」が相対的に軽く見られ、
“動かない人”が評価される社会になっていないかを問い直す必要があります。
5|否定ではなく「再構築」を
もし違和感を覚えた方がいたら──
それは誠実に仕事に向き合っている証拠です。
この文章は、誰かを責めたいのではありません。
むしろ、そうした人々が報われる社会構造に戻したいという願いを込めています。
> ❗仕組みを否定するのではなく、未来へ向けてアップデートしていくべき時期です。
6|“働く”とは、誰かの時間を少しでもよくすること
働くとは、効率化でも、数字でもなく、
誰かの今日をちょっと良くする行為です。
迷いながらも、何かを生み出すこと
汗をかいて、人に向き合うこと
たとえAIやマッチングシステムが発展しても、
“目的”を忘れなければ、テクノロジーも人を支える武器になれるはずです。