死後の世界を信じる人は、本当に今を生き切れているのか?──統計が示す意外な行動力の差
- 奧村 哲次

- 9月15日
- 読了時間: 4分

「来世で報われる」という安心感が、知らず知らずのうちに“今”の行動を先送りにしていないか。心理学と社会調査のデータから、その関係を読み解く。
「来世で報われるから」「あの世でやり直せるから」──そんな思いを抱いて、やりたいことを先送りにしていないでしょうか。
死後の世界を信じることは、精神的な安心をもたらします。しかし、複数の国際調査や心理学研究では、その安心感が“今を生きる力”を弱める可能性があることが示されています。
この記事では、日本と海外の統計データをもとに、死後の世界を信じることが私たちの行動力・集中力・好奇心にどのような影響を与えているのかを探ります。
信仰の実態:「日本にはどれくらい“来世”を信じる人がいる?」
日本では「無宗教」と答える人が全体の6割以上を占めますが、その中にも「あの世」「来世」の存在を信じる人は少なくありません。
1958年の統計では「あの世を信じる」と答えた人は約20%、2008年には約38%にまで増加しています(統計数理研究所『日本人の国民性調査』より)。
これは、特定の宗派や宗教団体に所属していなくても、死後の世界観を内面に持ち続けている人が多いことを示しています。
海外との比較:「死後の世界」は世界的には当たり前?
米国のPew Research Centerの調査(2021年)によれば、成人の約71%が天国を信じ、61%が地獄を信じています。
ヨーロッパでは国によって信仰率に大きな差があり、スウェーデンやチェコのように信仰率が低い国もあれば、ポーランドやイタリアのように高い国もあります。
つまり「死後の世界の信仰」は、日本に限らず文化・教育・宗教的背景によって大きく変わるものです。
行動力との関係:「信じる」ことが“今”を削ぐ?
心理学のテロマネジメント理論(TMT)によれば、人は死の恐怖を和らげるために文化や宗教を利用し、安心感を得ます。
しかし、この「安心感」が行動の原動力を弱めることがあります。
OECDの幸福度関連調査や複数の社会心理学研究では、来世を強く信じる人は、現世での出来事を外部要因に帰属する傾向(他責思考)が高く、自分で状況を変えようとする行動率が低い傾向が確認されています。
データが示す行動力の差
自己効力感(自分で人生を変えられる感覚)は、死後の世界を信じない層の方が高い傾向
副業・起業率も信じない層の方が高い(米国Sociological Science誌の分析より)
日本の内閣府調査では、無宗教層の方が「新しいことに挑戦する」と答える割合が高い
これらは、死後の世界を信じること自体が悪いというより、「それに依存しすぎると、現実の行動が減る可能性がある」ことを示しています。
信仰のプラス面も忘れてはいけない
一方で、宗教や精神性がポジティブに働くケースもあります。
TIME誌が紹介した研究では、宗教活動への参加は抑うつや不安の低減、幸福感の向上に繋がる傾向があるとされています。
また、輪廻転生や天国の存在を信じることが、環境保護やボランティア活動への参加率を高める可能性を示す研究もあります。
今を生きるための3ステップ
信仰を持つことは否定しません。しかし「未来の保証」に頼りすぎるのではなく、「今の行動」を最優先にするべきです。
今日からできる小さな一歩は以下の3つです。
やりたいことを1つ書き出す(曖昧ではなく具体的に)
15分以内にその第一歩を踏み出す
SNSや友人に宣言し、実行の確率を上げる
ラフティからのメッセージ
グダグダ言ってないで、すぐ動け。実行あるのみだ。
やりたいことがあるなら、今この瞬間に一歩踏み出せ。
「そのうちやる」「いつかやる」なんて言葉は、夢を腐らせる毒だ。
将来の不安をあれこれ考えて、手を止めている時間が一番の無駄。
行動すれば景色は変わる。景色が変われば、次の行動が見える。
不安なんて、走りながらぶち破れ。
立ち止まっている暇があるなら、今やれ、すぐやれ。
まとめ
死後の世界を信じる人は、信じない人よりも行動力・自己効力感が低い傾向が統計で確認されている








