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Chapter 4 設計・開発
人ではなく、タスクでプロジェクトを回す

chapter4

設計・開発フェーズは、
ITプロジェクトの中で 最も人間関係が壊れやすい工程です。

なぜなら、

  • 期限が迫る

  • タスクが増える

  • 想定外が発生する

このすべてが同時に起きるからです。

この章では、
人を管理しない設計・開発の進め方を解説します。

4-0. 設計・開発フェーズで起きる典型的な破綻

設計・開発が破綻するプロジェクトには、
ほぼ共通した兆候があります。

  • 「あの人が忙しい」が理由になる

  • 感情や不満が進捗会議に持ち込まれる

  • 問題が個人の責任にすり替わる

  • 判断が先送りされる

これらは、
技術の問題ではありません。

構造の問題です。

4-1. 設計と開発を分けてはいけない理由

設計と開発を完全に分けると、
次の問題が必ず起きます。

  • 設計は「理想論」になる

  • 開発は「現実対応」になる

  • 両者の間に責任の空白が生まれる

設計とは、
開発で壊れることを前提に作るものです。

そのため、

  • 設計者は開発を知る必要があり

  • 開発者は設計の背景を知る必要がある

完全分業は、
設計・開発フェーズでは破綻します。

4-2. 人に寄り添わず、タスクに寄り添う

設計・開発フェーズで
最もやってはいけないことは、人に寄り添うことです。

ここで言う「寄り添う」とは、

  • 忙しそうだから任せない

  • 大変そうだから期限を緩める

  • 感情を考慮して判断を変える

という行為です。

これは一見、チームに優しい判断に見えます。

 

しかし結果として、

  • 不公平感が生まれ

  • 属人化が進み

  • プロジェクト全体が止まります。

4-3. 役割と責任でチームを安定させる

安定した設計・開発では、
人ではなく 役割 が主語になります。

  • 誰がやるかではなく

  • どの役割が判断するか

役割と責任を明確にすると、

  • 判断は個人攻撃にならず

  • 問題は構造として扱え

  • 感情が排除されます。

これは冷たい管理ではありません。

人を守るための構造です。

4-4. 進捗管理は感情を排除する

進捗管理で見るべきものは、
次の2つだけです。

  • タスクが終わっているか

  • 期限に間に合うか

それ以外は、基本的に不要です。

  • 忙しさ

  • 苦労

  • 努力

これらは、評価や労務の話であり、進捗管理の話ではありません。

 

進捗会議が感情の共有の場になると、
プロジェクトは必ず停滞します。

4-5. 「できない」を早く出せる設計

良い設計・開発では、
「できない」が早く出てきます。

  • 技術的に難しい

  • 期限的に無理

  • 前提が崩れている

これを言えない環境は、必ず後で爆発します。

「できない」と言えないのは、個人の問題ではありません。

構造の問題です。

4-5-1. タスクが難しいのではなく、情報が足りないだけ

設計・開発フェーズで
「このタスクは難しい」と言われる場合、
その原因の多くは 技術力不足ではありません。

ほとんどの場合、

  • 前提情報が足りない

  • 判断基準が共有されていない

  • どこまでやれば良いか分からない

といった、
情報不足が「難しさ」に変換されているだけです。

 

この場合、やるべきことはシンプルです。

  • チームに聞く

  • タスク管理・コミュニケーションツールで名指しで聞く

  • 判断者に即エスカレーションする

人に我慢させる必要はありません。

タスクは、情報が揃えば前に進むものです。

4-6. 設計・開発フェーズのまとめ

設計・開発フェーズで最も大切なことは、

  • 人を信じることでも

  • 頑張らせることでもありません。

構造を信じることです。

  • タスクで進める

  • 役割で判断する

  • 感情を排除する

これができたプロジェクトは、驚くほど静かに進みます。

設計・開発フェーズが静かに進んでいるプロジェクトは、

  • 誰かが我慢しているのではなく

  • 誰かが頑張りすぎているのでもありません。

正しい構造が機能しているだけです。

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