あなたのロールモデルは誰ですか?

あなたには、「この人のように生きたい」と思える人がいますか?
仕事の進め方を真似したい人。
人生の選択を参考にしたい人。
年齢の重ね方に憧れる人。
若い頃の私は、ロールモデルを見つけることが、今よりも簡単だったように思います。
組織の中にいれば、自分より仕事のできる人が上にいます。
「あの人のように仕事ができるようになりたい」
「あの役職に就くためには、何を身につければいいのか」
「あの人なら、この場面でどう判断するだろうか」
上司や先輩の仕事を間近で見ることで、自分の未来を想像できました。
もちろん、尊敬できる人ばかりではありません。しかし、同じ組織で仕事をしていれば、参考にしたい人だけでなく、「このようにはなりたくない」と思う人からも学べます。
それも含めて、組織の中には、自分の生き方や働き方を考えるための材料がたくさんあったのです。
では、組織を離れ、独立したらどうなるのでしょうか?
経営者になると、自分より上の役職の人はいなくなります。
会社の方向性を決めるのも自分。
最終的な責任を負うのも自分。
迷ったときに判断するのも自分です。
周囲に経営者はいても、同じ会社の上司ではありません。外部にロールモデルとなり得る人がいたとしても、その人の仕事や意思決定を日常的に見ることはできません。
ましてや、
「なぜ、その判断をしたのですか?」
「本当は何に迷っていたのですか?」
「失敗したとき、どう立て直したのですか?」
そんな深い話を、気軽に聞ける関係をつくることは簡単ではありません。
表に出ている成功だけは見えても、その裏にある葛藤や失敗、孤独までは見えない。
それでも、その人を本当の意味でロールモデルと呼べるのでしょうか?
私は12年間会社を経営し、現在49歳になりました。
年齢を重ねれば重ねるほど、自分より年上で、自分が目指したい生き方をしている人は少なくなっていきます。
仕事だけなら、優れた人はたくさんいます。
経営だけなら、成功している人もたくさんいます。
健康、家族、趣味、社会への貢献。それぞれの分野に、尊敬できる人はいます。
しかし、人生は仕事だけではありません。
仕事では成功していても、その生き方すべてに憧れるとは限らない。
大きな会社をつくっていても、自分が同じ人生を歩みたいとは限らない。
お金や肩書を手に入れていても、幸せそうに見えるとは限らない。
では、私は誰をロールモデルにすればよいのでしょうか?
49歳になった今も、100歳までサーフィンを続けたいと思っています。
そして、150歳まで生きるという、途方もない目標も掲げています。
精巣がんStage4から生還し、会社を経営し、再び組織に入り、透明サーフボードを通じて海や地球の未来にも向き合っている。
そんな自分と同じ道を歩んできた人は、なかなか見つかりません。
それは、私が特別だからということではありません。
おそらく誰の人生にも、その人にしかない組み合わせがあります。
生まれ育った環境。
経験してきた仕事。
乗り越えてきた病気や挫折。
守りたい家族。
諦めたくない夢。
すべてが同じ人など、どこにもいないのです。
だとすれば、一人の完成されたロールモデルを探し続ける必要はないのかもしれません。
仕事については、この人。
生き方については、この人。
年齢の重ね方については、この人。
挑戦する姿勢については、この人。
複数の人から、自分に必要な考え方を少しずつ学び、自分だけの生き方をつくっていけばいい。
そして、もう一つ思うことがあります。
自分のロールモデルが見つからないのであれば、自分が誰かのロールモデルになる生き方をすればいいのではないか。
もちろん、完璧な人間になるという意味ではありません。
失敗することもある。
迷うこともある。
感情的になることもある。
正しいと思って選んだ道が、間違っていることもある。
しかし、その失敗や迷いを隠さず、何を考え、どう立て直し、次に何を選んだのかを残していく。
その姿を見た誰かが、
「49歳からでも、新しい挑戦はできるんだ」
「大きな病気を経験しても、人生を諦めなくていいんだ」
「経営者を辞めて組織に戻ることも、後退ではないんだ」
「仕事だけに人生を支配されなくてもいいんだ」
そう思ってくれたなら、それだけで意味があります。
ロールモデルは、最初からロールモデルになろうとして生きた人ではないのかもしれません。
自分の信じた生き方を続け、その過程を誠実に見せてきた結果、誰かがその人をロールモデルとして選ぶのではないでしょうか。
あなたには、ロールモデルがいますか?
その人の、どの部分に憧れていますか?
そしてもし、見つからないのなら――。
あなた自身が、これから生きる誰かにとってのロールモデルになる。
そんな人生を目指してみてもよいのではないでしょうか。




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