なぜサーフィンは、こんなにも面白いのか。29年間続けても飽きない理由

サーフィンは、本当に面白い。
私はサーフィンを始めて、もう29年になります。
それでも、いまだに毎週末になると海へ行きたくなる。
土曜日に入って、日曜日にも入る。
旅行先でも波が気になる。
天気予報を見れば、気温より先に風向きや波の高さを見てしまう。
もはや趣味というより、完全にライフスタイルの一部です。
では、なぜこれほど長い間、飽きずに続けられるのか。
最近あらためて考えてみると、その理由の一つは、
「サーフィンは、ものすごく難しいから」
なのではないかと思いました。
もちろん、これは他のスポーツと優劣をつけたいという話ではありません。
どんなスポーツにも、それぞれ違った難しさと面白さがあります。
そのうえで、私が29年間サーフィンをやってきて感じている「サーフィン特有の難しさ」を考えてみたいと思います。
足元も動く。乗っているものも動く。
同じ横乗り系のスポーツで考えてみます。
例えばスノーボード。
雪面にはもちろん変化がありますが、基本的には滑る斜面があり、足とボードはビンディングで固定されています。
スケートボードなら、地面は固定されています。
ただし、足とボードは固定されていません。
では、サーフィンはどうでしょう。
足とサーフボードは固定されていない。
それだけではありません。
そのサーフボードが乗っている波そのものが動いている。
波は前へ進み、形を変え、崩れ、速くなったり遅くなったりします。
つまり、
自分も動く。ボードも動く。そして足元の波まで動く。
しかも、二度とまったく同じ波は来ません。
ここがサーフィンの猛烈に難しいところであり、同時に、とてつもなく面白いところだと思っています。
サーフィンには「練習」がほとんどない
私はこれまで、いろいろなスポーツを経験してきました。
子どもの頃はサッカーをやりました。
家には卓球台があったので卓球もやりました。
バスケットゴールもあったので、バスケットボールもやりました。
スケートボードもやりましたし、スノーボードも少し経験しました。
ゴルフには練習場があります。
サッカーなら、同じシュートを何度も蹴ることができます。
バスケットなら、同じ位置から何十本、何百本とシュート練習ができます。
卓球なら、同じ球を繰り返し打つこともできます。
つまり、多くのスポーツには、
「失敗した動きを、すぐにもう一度やり直す」
という練習ができます。
ところが、サーフィンではこれが難しい。
「今の波で失敗した。もう一回同じ波でやってみよう」
と思っても、その波はもうありません。
次に来る波は、高さも違えば、速さも違う。
ピークの位置も違う。
割れ方も違う。
同じ海、同じポイント、同じ日の同じ時間帯でさえ、条件は少しずつ変わっています。
だから私の感覚では、
サーフィンは毎回が練習であり、毎回が本番です。
相手は、人ではなく自然
さらに面白いのが、自分の技術だけではどうにもならないことです。
波のサイズ。
うねりの向き。
周期。
風向き。
風の強さ。
潮の満ち引き。
海底の地形。
砂の付き方。
水温。
季節。
これらが全部関係してきます。
昨日最高だったポイントが、今日はまったくダメということもあります。
朝は良かったのに、2時間後には風が変わって終わってしまうこともある。
逆に、期待せずに行った海で、とんでもなく良い波に当たることもあります。
どれだけ人間が考えても、最後は自然が決める。
だからこそ、サーフィンを長く続けていると、
自然をコントロールしようとするのではなく、自然に合わせる
という感覚が身についてきます。
これもサーフィンから学んだ、とても大きなことです。
29年やっても、まだ上手くなれる
サーフィンは、本当に上達が遅いスポーツだと思います。
29年やっている私でも、
「今のターンは良かった」
「もう少し板を立てられた」
「テイクオフが遅かった」
「今の波なら、別のラインがあった」
そんなことを、いまだに考えています。
以前できなかったことが、突然できる日もあります。
何年もやってきた技が、ある一本だけ自分でも驚くほど深く決まることもある。
そんな瞬間があるから、
「まだ上手くなれるんじゃないか」
と思ってしまう。
そしてまた海へ行く。
おそらく、この終わりのなさが面白いのでしょう。
簡単に上手くならない。
思い通りにならない。
だから、飽きない。
難しいからこそ、一本の成功がとてつもなく嬉しい。
これはサーフィンの大きな魅力だと思います。
サーフィンをすると、季節に敏感になる
サーフィンを長く続けていると、自然にも詳しくなります。
天気図を見れば、
「この風なら、あそこかな」
「この低気圧なら数日後に波が来そうだ」
と考える。
季節の変化にも敏感になります。
海パンだけで入れる季節。
タッパーを着る季節。
シーガル。
ジャーフル。
セミドライ。
グローブやブーツが欲しくなる季節。
私にとっては、カレンダー以上に海が季節を教えてくれます。
「ああ、もう夏が来たな」
「そろそろ秋だな」
「水が冷たくなってきたな」
そんな変化を、体で感じる。
昔の人はもっと自然の変化を感じながら生きていたのかもしれません。
サーフィンをしていると、その感覚を少し取り戻せるような気がします。
海に入りたいから、知らない土地へ行く
もう一つ、サーフィンをやっていて良かったと思うのが、行動範囲が広がることです。
私は海のない滋賀県出身です。
それでもサーフィンを始めたことで、いろいろな海へ行くようになりました。
千葉。
茨城。
湘南。
伊豆。
そして日本全国。
さらに海外へ行っても、
「この国には、どんな波があるんだろう」
と考えるようになります。
普通なら行かなかったかもしれない場所にも、波があるというだけで行きたくなる。
海を探して移動し、人と出会い、知らなかった土地を知る。
サーフィンは単なるスポーツではなく、
人生の行動範囲そのものを広げてくれるもの
なのだと思います。
上手くいかないから、面白い
今の世の中は、便利になりました。
検索すれば答えが出てくる。
AIに聞けば、多くのことを教えてくれる。
効率化できるものは、どんどん効率化できます。
私は仕事でも、効率化や構造化をずっと考えてきました。
でも、サーフィンは違います。
効率化できない。
波を予約することもできない。
昨日の最高の波を保存して、今日もう一度乗ることもできない。
どれだけ準備しても、波がなければできない。
どれだけ良い波でも、自分が乗れなければ意味がない。
だから面白い。
もしかすると人間は、
すべてが思い通りにならないものだからこそ、夢中になれる
のかもしれません。
私は29年間サーフィンを続けていますが、
「サーフィンをやめよう」
と思ったことは、ほとんどありません。
むしろ年齢を重ねるほど、
「まだやりたい」
と思っています。
今週末もきっと、また海へ行くでしょう。
そしてまた自然に翻弄され、
思ったように乗れず、
たった一本の良い波で全部を忘れて、
「やっぱりサーフィンは面白いな」
と思って帰ってくる。
それを29年間繰り返しています。
そして、おそらくこれからも繰り返していくのでしょう。
簡単には攻略できない。自然を相手にする。毎回違う。だから、ずっと面白い。
そして、これだけ長く海で遊ばせてもらっていると、少しずつ、
「海からもらうだけではなく、何か海に返せないだろうか」
と考えるようにもなりました。
そんな思いから現在、廃棄されるペットボトルを活用した**透明サーフボード「Save The Surf」**を開発・販売しています。
透明なボードだからこそ、波の上から海の中を見ることができる。
サーフィンを楽しみながら、海や環境について考えるきっかけにもできたらと思っています。
サーフィンから始まり、自然を知り、いろいろな土地へ行き、そして今ではサーフボードそのものまでつくるようになりました。
29年前、初めて海に入った自分には想像もできなかったことです。
そう考えると、サーフィンは私にとって単なる趣味ではありません。
自然を感じ、挑戦を続け、人生の世界を広げてくれるライフスタイル。
だから私は、これからも海に入り続けたいと思います。
そして、サーフィンの面白さと海の素晴らしさを、少しでも次の世代へつないでいければと思っています。
Save The Surf
YouTube「透明サーフボード【Save The Surf】」https://www.youtube.com/@SaveTheSurf-jh5fm




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