顧客第一。それは本当に顧客のためになっていますか?
- 奧村 哲次

- 5 日前
- 読了時間: 4分

はじめに
この文章は、金融業界だけの話ではありません。
小売業でも、IT業界でも、コンサルティングでも、経営者でも、これからコンサルタントを目指す学生でも。
「顧客第一」という言葉を掲げる、すべての組織、そしてすべての働く人に問いかけたい内容です。
私は20年以上、コンサルティングの現場に携わってきました。
その中で、一つだけ強く感じていることがあります。
「顧客第一」を掲げながら、その実態は「契約維持第一」「売上第一」になっていないでしょうか。
顧客第一を否定したいわけではない
もちろん、私は顧客第一を否定しているわけではありません。
むしろ、本当に顧客の未来を考えるのであれば、ときには耳の痛いことでも伝える勇気が必要だと思っています。
それが、本当の意味で顧客に価値を提供することだからです。
しかし現実には、
顧客に嫌われたくない。
契約を失いたくない。
売上を落としたくない。
という理由から、本来伝えるべきことを伝えず、忖度や迎合が当たり前になってしまう場面を目にすることがあります。
私は、その働き方に強い違和感を覚えます。
コンサルタントの役割とは何か
さらに問題だと感じるのは、そのような姿勢を**「真のコンサルティング」**として従業員に許容させ、正当化してしまうことです。
私は、それは違うと思います。
本来、コンサルタントとは、顧客にとって都合の良い人ではありません。
顧客が本当に成功するために必要なことを伝え、実現できる形で支援する存在です。
私は、絵に描いた餅のような資料も作りません。
実現できない提案は、提案ではなく自己満足だからです。
現場で実行され、成果につながって初めて、その提案には価値があります。
だからこそ、迎合して気持ちよく終わる会議よりも、本質的な課題に向き合う対話のほうが重要だと考えています。
顧客だけでなく、従業員も大切にすべきではないか
そして、もう一つ忘れてはいけないことがあります。
会社は顧客のためだけに存在しているわけではありません。
そこで働く従業員もまた、大切な存在です。
会社員は、平日の勤務時間だけを会社に使っているわけではありません。
通勤時間、仕事の準備、仕事による疲労から回復する時間まで含めれば、一日の大半を仕事に費やしています。
人生という限られた時間を会社へ提供し、その対価として給与を受け取っています。
つまり、従業員は、自分の人生の大きな時間を会社に預けているのです。
だからこそ、その貴重な時間の中で、自分の信念や価値観まで犠牲にし、忖度や迎合を求められるのであれば、それは健全な組織とは言えません。
本当に強い会社とは
私は、顧客を大切にすることと、従業員を大切にすることは、対立するものではないと考えています。
本当に優れた会社とは、顧客にも誠実であり、従業員にも誠実である会社です。
利益は企業が存続するために必要です。
しかし、その利益が、従業員の迎合や忖度、自分らしさを失うことでしか生み出せないのであれば、そのビジネスモデルは一度見直すべきではないでしょうか。
本当に強い会社とは、忖度や迎合がなくても顧客から選ばれる会社です。
私が目指すコンサルティング
私は、自分の信念を曲げて契約を守る仕事ではなく、顧客に本当の価値を届けた結果として利益が生まれる仕事をしたい。
そして、その姿勢こそが、顧客・会社・従業員の三者すべてを幸せにする、持続可能なビジネスのあり方だと信じています。
最後に
この文章は、誰かを批判するために書いたものではありません。
金融、小売、IT、コンサルティング業界、そして経営者や、これから社会に出る若い世代の皆さんに、「本当に価値ある仕事とは何か」を、一度立ち止まって考えるきっかけになれば幸いです。
もしこの記事を読んで、「顧客第一」の意味を改めて考える時間になったのであれば、私にとってこれ以上うれしいことはありません。



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